2017年3月8日水曜日

饗くろ喜(もてなしくろき)/秋葉原


 諸般の事情によりなかなか更新が出来なかったのですが、ようやく戦線復帰でございます。今後は真面目にやりますので何卒よろしく<m(__)m>

 今回はちょっと気合を入れてみようと思い選んだのが「饗くろ喜(もてなしくろき)」だ。
 東京を代表するラーメン店として名高く、現在有数のハードル店である。ミシュラン2017のビブグルマン店にも選出され更に人気が急上昇しているのだ(@_@)

 場所は秋葉原と浅草橋の間くらいか。
 外観はこんな感じ。
 雑居ビルの一角にそっと佇む風情なのだ。
 訪問時は平日の13:30で行列8名。上は14時過ぎの光景である。
 ここは人気店で最近流行りの「食券を買って並び直す」ルールとなっており、店前に小さな看板があってその旨掲示されている。

 店内で思い切って(^^;)「特製塩そば1,250円」の食券を購入し並んでいたら、10分ほどで入店。行列が掃けるのが非常に早い。これもオペレーションがしっかりしているからだろうな。

 この店は塩メインである。和食の技法を生かしながら、洋のテイストも加えたグローバルなラーメンらしい。

 カウンターに案内され着席する。外国人が多いな。やはり東京ラーメンはもはや観光のメインイベントの一つなのだろう。
 オペレーションは4名。無駄口は一切叩かず静かな緊張感が漂う。
 店の拘りはこちらをご覧ください。
 ほどなく着丼。これは確かにスムーズだ。
 お、トマト?!オリーブ???(◎_◎;)
 これはこれは。なかなか見たことのないビジュアルである。
 透き通ったスープを口に含むと、鶏に加え野菜の優しい旨みが雑味なくすっきりとまとまっているのを感じる。丸鶏をじっくり煮出している清湯で深みがある味わいだ。
 麺は平打ちと細麺からチョイスできるので、今回は平打ちにした。
 コシがあり、かつ滑らかな美しい麺である。

 まぁ見た目の最注目はこの鶏チャーシューだろうな( ゚Д゚)
 このトマト押しのイタリアンテイストな感じはまず見たことがない。しかもスープと麺にピッタリ合うのは不思議な感覚であった。

 豚チャーシューはレアな感じで実に美味い。

 ワンタンはシンプルな中にも丁寧な仕事が好印象。
 味玉は味が滲みていてハイレベル。
 メンマではなく竹の子。
 スープや他の具材とのバランスを考えてのことと思うが、確かにメンマよりフィットしているのだ。

 「特製」はワンタンと味玉の有無のようだが、普通の塩そばでも十分な気もするな。

 当店はラーメンの新しい世界観を明確に持っている。トマトテイストなどは一見奇をてらっているように思えるが、実は数々の試行錯誤の努力と徹底的な計算が見通せるのである。
 それがこの「バランス」なのだ。

 隣の席の方が食べていた「牡蠣そば」も実に美味そうだったなぁ(^^;)

 現代の東京ラーメンの世界は、伝統と斬新が鬩ぎ合っている。   低価格で感動を与えることの出来るこのジャンルは、観光の目玉として益々脚光を浴びて行くのだろう。
 その意味では当店にトップランナーとしての期待がかかる。
 応援していま~す!

くわしね度:9.2点

住所:千代田区神田和泉町2-15四連ビル三号館1F
経路:秋葉原、浅草橋から徒歩7分
営業時間:11:30~15:00 18:00~21:00(月火木土)
       11:30~15:00(水)
定休日:日・祝
席数:13席
食べログ公式→https://tabelog.com/tokyo/A1310/A131001/13127743/


2017年1月9日月曜日

むぎとオリーブ/東銀座


 2017年一発目のくわしね会麺部会訪問店は東銀座にある「むぎとオリーブ」さんである。こちらはミシュランのビブグルマン店としても名高い。世界が認めた味と言えるだ(@_@)

 実はこの一区画はハイレベル店密集地帯である。昨年も記事にした店がこのブロックに2店ある。同じビブグルマン店の「伊藤」さんと、夏のお盆のあたりに「むぎとオリーブ」さんに来店した際同店の夏休みでフラれ、急遽訪問した「九代目けいすけ」さんだ。
更に「油組総本家」「九州じゃんがら」もあり、正に銀座に突如現出した夢のイケてるラーメン店密集地帯と言えるのである。
 この「九代目けいすけ」さんの手前が今回の「むぎとオリーブ」さん。
 こんな佇まい。どう見てもカフェかイタリアン(^^;)

 平日の14時。ここは通し営業なので昼時間を気にする必要はない。この時間ならさほどの混雑はないものと思い来店してみたが、何とほぼ満員の盛況である。
 やっぱ外国人多いな。ラーメンは今やクールジャパンの必須アイテムである。観光のランチはミシュランのラーメン店なんていうのも今やスタンダードなのかも知れないな。
 そして女性の一人客も多い。こちらは清潔感溢れる洒落た外装、内装で、誰もが入りやすい雰囲気を作っている。これも人気の一つなのだろうか。

 確かにさぁ、オヤジの私でも何だか敷居が高い店とかあるもんね。「店の店主が声をかけるまでは決して注文してはいけない」とか、暗黙のルールみたいなのがある店もある。そういう店で、知らずに慌てて注文すると、他の客から(何だコイツ素人だな)と白い目で見られるのである(/ω\)
 ラーメン食うのに素人って言われてもなぁと思ったりもするが、それもまた楽しみの一つと捉えた方がいいのかもね。
 前向きに前向きに(^^;)

 さて、むぎとオリーブさんの券売機の前で私は少し迷っていた。現在訪問店舗拡大運動中なので、なかなか二度目の訪問は叶わないケースが多い。最近は結構背伸びして豪華なメニューを注文する傾向になりつつある。
 今回も最高峰の「特製鶏・煮干・蛤のトリプルSOBA」1,180円をうっかり発注してしまう(^^;)

カウンターの席に案内され座ると、前にミシュランのプレートが。
 
 ピントぼけですね。すんません。

 しかし、ここの内装や備品などの洗練された拘りはあまり例を見ないものだなぁと感じる。鉄製のグラスや洒落たデザインのお手拭きなど、どれを取っても店の雰囲気にマッチしているのである。

 7分ほどで着丼。

 特製のプラス具材は別皿提供。しかし見た目の美しさは素晴らしい。蛤と白い鶏チャーシュー、長いも、三つ葉の緑と海苔の黒が白い器に映える。正に一つの完結型の料理を丼に表現している感じである。
 別皿提供は味玉、海苔、鶏チャーシュー、豚チャーシュー。盛り付けもステキ。

 さて、スープはと口に含むと、鶏、煮干しの出汁に蛤がそーっと溶け合った複雑かつ優しい味。このバランスを創るのは相当難しいだろうと感じる。ガツン!という旨みの主張をあえて押さえ、重層的なハーモニーをうまく作り上げている。

 しかし、このラーメンの真骨頂は麺であろう。
 現在の東京の人気店は「パツパツ系」と「モチモチ系」に二分されているように思う。両方美味いし、スープに合わせるために創意工夫がなされているのだろうが、この店の麺はその中間的なパツモチ麺である。パツッとした食感を保ちながら、モチっとした味わいを出している。そして店名の通り小麦が香るのである。
 これはちょっとすごいわ( ゚Д゚)
 長いもの優しい食感もGOOD!
 しかしこの鶏ささみのチャーシューも素晴らしい。雑味の一切ない、しかも深い旨みが感じられる味である。


 味玉は味付けと火の通し方が完璧。

 そしてこのレアなチャーシューの美しさはどうだ。芳醇を感じさせるワクワクするような味である。

 すべての材料に完璧を求め実現しているこの店のラーメンの世界は素晴らしい。ラーメンの世界を一歩広げ、世界に目を向けたこの志の高さが、きっとまた新しいステージへと向かうのであろう。
 ガツンとした味を求める人にはやや物足りないと感じるかも知れない。しかしこの一杯にはラーメンの世界の無限の可能性を感じるのだ。

くわしね度:9.2点

食べログ公式→https://tabelog.com/tokyo/A1301/A130101/13164932/

住所:中央区銀座6-12-12銀座ステラビル1F
経路:都営浅草線東銀座駅(A1)徒歩5分
    東京メトロ銀座線、日比谷線(A5)徒歩6分
営業時間:11:30~22:00(平日)
       11:30~21:00(土・祝)
定休日:日曜
席数:15席(カウンターのみ)

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